日本は世界の宝物

 
ぎらぎらと照りつける真夏の太陽!こんなに暑くても浅草は連日多くの観光客で
いっぱいです。
 
私は、世界の人たちは日本に何を求めてやって来るんだろうと改めて考えてみました。

寺や神社はやはり日本の最高のイメージなんでしょうか!?例えば、どこの食事処
をみても活気がありお客様でいっぱいなのはきっとどの食事も美味しいからなんだろう
と思います。
仕事の関係で世界の人たちにも日本舞踊を見せたり体験して頂いたり、ゆかたや振袖
で日本を満喫してもらっています。
長いことこの仕事をしていて気づくことは勿論いくつかありますね。
現在、日本の素晴しさに注目しているのは返って日本人より外国人の方が多いと言って
過言ではないでしょう!
少し残念ですが今の若者を見ていてそう思うことがしばしばです。浅草の日本舞踊
教室に通う生徒さんの中には「歴史が大好きです」とか「花魁」「吉原」について学び
たいという生徒さんもいます。
美しい着物姿に憧れて・・・、そうなんですね。日本の文化は大事に大切にしてもら
いたいななんて本気で思います。
師範になって将来教えられるようになりたい・・・。なんとか必死にそうした夢の実
現のお手伝いが出来たらと思っているところでもあります。

美しい着物に、あるいは日舞等そうした日本の文化に触れたいと外国の観光客がその
何かを求めてやって来ますが、実はそれら多くの外国人がなかなか気づけないでいると
ころがあるんです。本当の美しさ、本当の日本・・・がそれです。
本物の日本を何故知らないのか!?きっとそれは外国人にないもの、つまり日本人だ
からこそ日本人の心に宿る「感性」を通して感じられるものだと思うからです。
よく笑い話で東北弁が上手くしゃべれない・・・と言いますが、そのとき有名なタレ
ントが冗談まがいにこう言いました。
それは、血の中に「津軽」が流れていないからだ(笑)・・・と。

 

日本は世界の宝物

 
「日出ずる国ニッポン」
 
日本が宝島のような国だと思っている諸外国の人も少なくないようですね!!
国際問題にまで発展している様々な障害もひとつ間違えば戦争になりかねない不穏な動
きすらあります。その相手国のひとつでもある中国の観光客は口を揃えてこう話す。
「日本は安心で綺麗!」「日本の食べ物は美味しい」「日本の製品は全て安心です」等々。
こうしてあの爆買いにつながっているのですね。
電気製品が目立っているようですがそうではない。 「化粧品」「薬品」等の爆買いの
様は見たことのない凄い量であり凄い光景です!

商売の上でのキャッチフレーズ「おもてなし」を前面に出しながら???
「おもてなし」とか、「日本の美しさ」等々は日本人にその心あって「おもてなし」に
通じているのです。
商売上、職場の朝礼や会議で「おもてなし」について訓示しているオーナーも多い。
「おもてなし」こそ、商売として使うものではない。お客さまに喜んで頂きたいとす
る心あって成立するおもてなしでなければならない。
つまり、言われてやるものでもなければ、マニュアル化されて行うものでもありませ
ん。
心から「相手(お客様)のために尽くす」ことは、言われて行動に移せるものではない
と言うことです。

私は、20歳代前半で店長になり、大きな発見をしたことがありました。
この経験があって今の私があるように思います。当時その店は名古屋駅地下街の一等
地にあって、名古屋駅から来る観光客の数は半端ではありませんでした。
お客様に固定客は勿論あっても、観光客の数はその比ではない。当時勤めていた店
員は11名だが全て女性。 何を説いたら販売のイロハを理解し実践してくれるだろう!
思い出せば当時のこの悩みはとても大きかったことを覚えています。
私とはその殆どが恋愛対象でもおかしくない年齢差。いくら店長でも若い社員(て
んいん)の心を動かす難しさは本当に尋常ではなかった。

私が説いた戦法とはこうだった。朝礼の際、全員に投げかけた言葉は「みんなが食
事や買い物に行ったときの話しを聞かせて欲しい!そして皆さんはどんな応対をされ
た時が一番嬉しかったですか!?
そして、どんな応対をされた時が嫌でしたか!?」この2点の質問でした。

勿論、多くの経験体験を持っていましたね!思いがけない体験談も出て来ました。
そこで私は皆さんにこう語りかけました。
「そうだよね!嫌なことは一生忘れないほど嫌な思い出になるよね。一番困るの
はそこへ(店)は出来るならもう二度と行きたいとは思わないよね。でもどうだろう・
・・!反対に、それが嬉しいことだったら・・・。当然また行きたいと思うよね
・・・!だったら答えは出ましたね。自分がされて嫌なことは止めましょう!
そして、自分が受けた嬉しい接客はもっと工夫に工夫を重ね喜んで頂けるよう研究して
店での行動指針としましょう。」と。
この事は大正解でした。応対だけでなく、食品会社だったため、その商品管理に至
るまで「お客さまが喜んでくれる商品」という観点で管理でき、その素晴しい商品を扱
うに適した販売員になろうと一致団結できました。
挨拶が大事!笑顔が大事!親切が大切と教えたことは一度もありません。
お客様が喜ぶひとつに挨拶は当然。お客様がまた来てくれるはその心根にあることを逆
三段論法で会得できたのです。

今になって「当時何故それが出来たんだろう!?」と振り返ってみました。それは
日本人独特の感性がみなどこかに潜んでいたからではないだろうか!!
戦後70年と言いますが、あれだけ悲惨な戦争を体験し敗戦に終わった後も、力を合
わせ立ち直れたのはその心根にあったんだと断言できますね。
日本人だから正しく立ち直れたんだと確信しています。

ご存知のように昨今はテレビやパソコン等々メカの普及とともにその便利さが大切
な日本人の心を奪っているように思います。
食事ひとつとっても「何故美味しいのか」・・・と言えば、他国にはない素晴しいこ
だわりや感性があるからに他なりません。
日本には「丹精」などという素晴しい言葉があります。この丹精という言葉をひも
解くとその意味が分かりますね。

今は夏真っ盛りで日本各地で夏の風物詩である花火大会が行われています。
暑い最中の花火にこそ風情がある!そう思いませんか!!

ご存知かどうか知りませんが、日本の花火と外国の花火には大きな違いがあります。
外国の人に花火を表現してくださいと言うと100%「ドーン」と表現しますが日本人
は違いますね。日本人の花火の表現は「ヒュー・・・・ドーン」となるはずです。
勿論100%「ヒュー・・・」と鳴ります。
それは花火の玉と一緒に笛が付いていてその笛が鳴り止んで「ドーン」となるように
造ってあるんです。
何故「笛」が付いているのか!!??そこが日本人の感性なんです。つまり、
ヒュー・・・と上がり、笛の音が止まり「ドーン」と花火が音とともに開く。
このなんとも言えない「間」こそ日本人なのです。

私は最近ずっと仕事をしながら小さい音量ながらも毎日流している曲があります。
それはあの懐かしい「童謡」です。「赤トンボ」「「七つの子」「嬉しい雛まつり」
「おさるのかごや」「りんごのひとりごと」「夕焼け小焼け」「花嫁人形」等々・・・・
このアルバムは40分以上あるのですっかり心は癒されます。
バタバタと、失いかけた何かが甦ってくるような何んとも言えない懐かしさと郷愁を
覚えます。
それが母であったり、故郷の山や川であったり・・・!人間の原点に帰れた気が
して心が休まりますね。

波島陽子日本舞踊教室へ通う若い生徒さんがどこか優しくて女性らしいのは日本舞踊
を習いたいだけあってその殆どが日本の美しさに映える心根の持ち主だからなんですね。

「風鈴の音」「せせらぎ」等々、この風情はあの笛の無い花火を見ている人たちには
やはり分からないんだと思います。
わび・さびも同じこと。日本に宝物があるとしたら、こうした土壌背景に育ったか
らこそなんだと思われてなりません。
日の出や夕焼け、季節の花々。それら自然(四季)と建物(庭園)そして人との融
合が実に上手くかみ合って日本という国が成り立っているように思います。

昨日、福岡県(沖ノ島)・宗像大社が次の世界遺産に名乗りを上げ国の推薦を受けまし
た。行ったことはありませんが、映像で見るかぎりなんとも美しい!!

本当の日本ってなんだろう!?人の心に一番大切な感性を与えてくれた神様に感謝
したいですね。そんな心根からの親切は、やはりそれが美しさとなって諸外国の皆さ
んに映るのだと思います。美しさの原点と言って良いでしょう!
若者に学んで欲しいのはそうした根底にある素晴しさです。自然も心も実に美しい。
本当に日本は世界の宝物なのかも知れませんよ。

日本人の一員として誇りに思います。

 

■メールでのお問い合わせ