東京オリンピックまで1年を切って、マラソンが北海道まで行ってしまうなどとここに来て大慌て! イベントの開催の難しさですね。
波島陽子日本舞踊教室でも日本は勿論、諸外国からの要請でときどき海外で日本舞踊を披露して来ることがあります。
そんなときいつも思います。「お稽古は嘘をつかない」と、まさにその通りです。 着物そのものも着る機会が少なくなったという、より時代(かんきょう)がそうさせているようにも思えるのが残念ですが、それでも波島陽子日本舞踊教室には若い生徒さんが次々とやって来て嬉しい夢を語ってくれています。
日本人の血とでも言いましょうか、本当に日本人は着物がよく似合う。知っているんでしょうねきっと。だったらもっと嬉しいんですが・・・。
習い始めるとやはり人前で踊ってみたくなるもので、それは美しいですよ。最近のプロの役者が着物の所作が似合わない傾向が多く、将来を危惧していたところ、当教室には和と真剣に向き合う若者が絶えません。
家元にとっては願ったり叶ったりです。逆に言えばそれだけ責任も重くなります。
まもなく芸能生活35周年という節目を迎えるにあたり記念行事が目白押しという嬉しい準備期間を過ごしています。
一番嬉しいことはお弟子さんが育ってくれること。若い人に跡を継いで欲しい気持ちをお稽古にぶつけ波島陽子は日々頑張っています。
何人もいる生徒やお弟子さん。勿論人それぞれですが、芸事で一番大切なのが「感性」、センスとも置き換えられます。 これはお芝居や歌もそうですね。 そうしてみると尚更昔の日本女性がどれほど素晴らしかったかよく分ります。
当教室では年間約2000名あまりの外国人観光客のみなさんが、日本の伝統や文化に触れたくてやってきますが、お相手をしていて一番の目的がとてもよく判ります。
それほど日本は素晴らしいんです。 一般的には「おもてなし」という言葉が一人歩きしていますが、おもてなしこそ「日本の心」なんですね。
これを日本舞踊に当てはめるとよく分かります。日本人ほど美しく優しさを表現できる国民は居ないと断言できます。 日本舞踊の魅力もその心の表現が出来れば素晴らしい踊りへと完成されてゆくんですからね。
令和になって出会った女性を紹介しましょう。
波島陽子の故郷(秋田県湯沢市)に数年前立ち上がった芸妓連。その名を「湯沢湯乃華芸妓」と言いますが、私は令和になった5月に初めてこの芸妓さんに出会いました。お座敷で見た踊りは表現できなかったですね素敵で。
心洗われるという言葉がありますが、ここ秋田にこんなにも素晴らしい芸妓さんが居たんだ!! 芸妓連の主宰者を知っていた関係でお座敷に招かれたんですが日本舞踊教室を運営しているだけに舌を巻きました。
「ここ湯沢も捨てたもんじゃないな・・・!!」 しかし、そこには並々ならぬ発起人の魂があったんです。 よく修行した踊子たちでした。
私が波島とやっているのは主に一般の人に日本の文化を大切にしてもらいたい。この文化を失くしたくないという思い。
しかし、湯沢のそれはもっと壮大な夢でした。湯沢はご存知のように小野小町の町として有名です。 素晴らしい観光資源(自然・温泉・日本酒・稲庭うどん等々)がたくさんあるのにどうしても過疎化に向かっている。それを何とかしたい。そう思って立ち上がったんですからね!! 政治家になるより具体的で実行力があります。
私は「覚悟」をもったその主宰者に心から拍手を贈りました。芸舞妓さんも人として女性としてみな素晴らしい人達です。これを教育というんですね。
一人一人、勿論年齢も性格もそして考え方も違うはずです。なのにしっかりしたプロフェッショナルです。なんでもそうですね。「信念と覚悟」、これはどんな職業も問いませんきっと。それにみなさん本当に生き生きしているんです。
波島教室というより、日本舞踊を習いたいという思いはやはり心が優しいですね。勿論多くの現代っ子が沢山お稽古に励んでいますが、心磨きに一生懸命です。
改めて「信念と覚悟」をもって多くの若者を育てないと。そう思いました。