若者への伝承が使命

芸術の秋、スポーツの秋。 そんな中、またも一変しそうなニュースが流れています。 台風19号が今まで以上の勢力で日本列島へ向かっているというのです・・・!!!

温暖化で地球がすっかり変わってしまいましたね。 悲しいニュースは続きます。浅草の浅草寺境内にあった「踊り用品店」がまた姿を消してしまったのです。
このお店は日本舞踊や新舞踊を楽しんでいる人なら知らない人はいないほど有名な老舗。
地球の変化も恐ろしいですが、人の心の変化も怖いですね!
波島陽子はずっと前からそうしたことに危機感を抱き続け、平成19年に本格的な日本舞踊の指導者として腰をあげました。
日本舞踊は「お金がかかる」というイメージは拭えず、若者にはどんどん縁遠いものになっているきらいがあったからです。

そこでとても商売としてなど成り立たないやり方で特に若者たちへの指導を主願に波島は立ち上がりました。
いくら波島がそうした思いでお稽古場を立ち上げてもやはり若者はドライです。勿論分かってくれる若者が居ない訳ではありません。
月謝はいくら・・・と提示しますが、その内容は全く違います。普通日本舞踊を習おうとするとそのお稽古日や時間の殆どがお師匠さんに合わせた時間の作り方が普通です。しかし、波島教室は100%生徒さんにお稽古時間を合わせているという信じられない方式です。
朝の9時から夜の9時まで。毎日です。「こんな教室見たことも聞いたこともない・・・」は殆どの生徒さんの感想。 それでも慣れてしまえばそれが当たり前になります。
一般の教室は30分のお稽古が普通。波島教室は50分。これはもう比較対象にはなりません。この方式を真似することは不可能に近いことです。それは、師匠の伝えたいとする純粋さが力となって行動に移されているからです。

現在、波島が制作した振付作品は全国の舞踊愛好者がこぞってこの作品を舞台で楽しんでおられるようです。
まさに理想とする日本の伝統芸の錬金術師そのものですね。伝えることの使命感、伝えることの大切さは教室の多くの生徒たちの心に響いています。
正直調子の良い若者が居ないわけではありません。自己中心的な性格から結局教室に居られなくなる生徒もいます。 しかし、日本舞踊を習いたいと思う人の殆どはやはり純粋に素晴らしい日本の心を持っているということに気づきます。
「そうした人の心に羽織るのが着物ですよ」・・・と波島は心の底で思っているでしょう。

先日、教育委員会から長年の功績に対し・・・と波島は表彰を受けました。若い学生たちに日本舞踊を指導し続けてきた結果でした。

ここでも大きなエピソードがあったことをご紹介しましょう。 この受賞については事務局の私に7月の終わりごろお話がありました。 いろんな苦労をしいているだけに私は涙を抑えるのに大変だったことを覚えています。 しかし、当の本人には伝えられませんでした。
それは、その受賞を知ればきっと波島は辞退し兼ねないと思ったからです。本当にお人好し以上に謙虚のかたまりなんです。
授賞式までの50日間、本人に内緒にし続けることが本当に大変でした。当日、何か教育委員会から花束の贈呈があるらしいよ・・・とだけ。
勿論このサプライズはどんなに波島を感動させたことでしょう。 それでも多くのお弟子さんや生徒さんたちは先生以上に喜んでくれました。 先生の性格を知っていればこそですね。
生徒さんの励みになり誇りに思える出来事に教室も一層輝きを増しました。

本気で日本の伝統を、日本の文化を伝え続ける波島陽子をこれからも温かく見守ってあげてください。

 

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