大女優をめざして

波島陽子が芸能生活をスタートさせて今年が大きな区切りで35周年を迎えました。既にご案内のようにその記念の舞台やイベントが目白押し。現在、世界中に飛び火したコロナウイルスのお陰で日本も各地でイベントの中止やスポーツなど「無観客試合」が展開されています。本当に、どこで何が起きても仕方ない時代に入りました。
それでも、お陰様で波島陽子日本舞踊教室は連日活気に満ちた日々を送っています。対象がエネルギッシュな若者が多いからでしょうか・・・、嬉しい事です。中でも目立つのが「女優」を目指す若者が多くお稽古場にやって来るということです。
私はずっと声を大きく「今の時代劇は・・・」と嘆いて来たひとりです。つまり、平成の初めころからそうでしたが、だんだんと時代劇が現代風になって来ているという悲しい現実を見て来たからです。
つまり、着物を着たら動けない・・・ということです。仕草や所作等の経験がまったくない人間が、Tシャツを脱ぎジーパンから着物に着替えても全く絵にならない。もっと大きな原因は作り手の監督そのものが着物を知らなすぎるという現実です。最近、インバウンドと称し猫も杓子も「忍者」とか「サムライ」・・・と言っては刀を振り回しています。刀を持ったら「サムライ」ではありません。京都の、大阪の、そうしたインバウンド関係の道場にそれこそ隠密で出かけたことがありました。間違っています。つまり、本当に美しい着物の良さ(さばき方等)が全くできずただ格好いいポーズをとって外国人に見せていました。
考えてみれば仕方ないですよね。知らないんですから!!
私もこの日本舞踊教室に関わって12年が経ちます。私には語り尽くせない環境があって着物に関わることは子供の頃から本当に多くありました。
まず、私の母が私が生まれる前から着物の仕立て等の内職を本職以上の腕前でやっていたということ。日本でも有名な織物の町で育った関係もあったかも知れません。そして、趣味が日舞、三味線、琴等でした。挙句の果て、父は親戚が経営する東映映画封切館の支配人も兼務していた関係で時代劇は東映という素晴らしい作品を全部観たという環境。
遊びといったら近所の山で柳の木を削り刀を作りチャンバラごっこです。キャリアからすれば相当なものです。社会に出てもそうした環境で育った特徴が活かされテレビの人気者ショーのアクションやファンタジーものの指導をよくおこなったものです。

会社もいろんな会社を経験しました。そして舞台の演出等にまで私の生活は変わりました。ですから、この日本舞踊教室を営むに当たり波島陽子をプロデュースすることは神の与えた天職と思っています。
夢を持った若者もどんどん教室の門を叩いてきました。私などすぐその気になってその夢を実現させてあげたい・・・と応援する訳です。
しかし、若者から学ぶことはとても多かった。女優になれる・・・と勘違いする若者が多くいるということですね。勿論美しいからだけで女優になれるわけではありません。経験値の中で断言できるのは、女優になれる可能性のある者の特徴がハッキリわかって来たという訳です。
つまり、演者というのは何より「感性」が大切であるということ。そしてやはり「センス」の重要性です。そしてそして「自分を知っている・・・」ということでしょう。
私は「幸せ探しの部屋(ブログ)」でも詳細に渡って語り尽くして来ましたが、こうした芸事が好きということから素晴らしい出会いを沢山頂いてきました。吉岡たすく先生・高橋圭三先生、山本直純先生他薬師寺の館長高田好胤、そして日本話し方教室の江川ひろし先生。言い方はおかしいかも知れませんがとにかく可愛がられました。
ここで学んだのは全て心です。日本舞踊教室を始めて最初の頃はその正しさを生徒にぶつけるのですがよく言う「今の若者」は口先だけで結局途中で挫折してしまう。正直私は悩みました。しかし、そこで確信できたのは、その本人に「覚悟」が無かったことです。憧れることは決して悪くはありません。しかし、やりたいこと(希望)とできること(現実)は違うということです。
私は、何でも本気になって指導に入ります。波島陽子の芸を見て、この芸を継げる者が居たら大成する。そう思って役者志望の若者に接しています。
私も超一流のCM指導を任されたりしています。もう2年前でしょうか・・・・!!一級品の人気女優の指導でした。一流と素人の違い、まざまざスタジオで目にしましたね。

現在頑張っている女優のたまご、久々に面白いと感じています。世の中の不思議さは連鎖するんでしょうか!?

大女優をめざして

「女優として力を着けたい・・・」とする10代の若者が次々と入門してきます。

波島陽子を指導者として選んだのは大正解です。
つまり、着物を身に着けて日本の女性を演ずる第一人者だからです。これは心の持ち方がそうさせているんだと確信していますが実に素晴らしい指導者です。
憧れではなく、現実を見据えて覚悟をもって挑戦して欲しい・・・とエールを贈りたい。
「日本の心を表現できる・・・」と常に評して来ましたが、時代劇に出演する女優はそこだと思います。 着物を着れば時代劇になる訳ではありません。女性らしさであったり謙虚さであったり、深みのある演技に心が添えられたら身に着けた日本舞踊の本領発揮というところでしょう。

今年の正月に渋谷で公演された時代劇の振付指導を受け持った波島の作品。驚くほどに芝居をしめてくれていました。ほっと安心できるひとコマでしたね。
「正直、時代劇は初めてです・・・」と役を受けていた女優陣。勉強になったと思う。
本当は、ここまで来るとこれは国の責任なんですね。 日本を代表する文化とか、伝統と軽々しく口にしますが、この伝統を守る者を支援するという国の力不足も日本の将来の心配の種です。

昨年、あることから波島陽子は故郷秋田県湯沢市の今後を危惧し腰を上げました。「湯沢には自慢できる良い物良いところが沢山あるのに・・・・」と。 私は即その想いをもって湯沢に出かけました。令和になったばかりの5月初旬の頃でした。ですからまだ1年も経ってないということですね。
波島の心はいろんなところに伝染しました。会合の後初めて地元の芸妓たちのお座敷に顔を出すことが出来たのです。そこには2人の芸妓さんが来てくれました。出会いの凄さはここまで来てもまだ私に衝撃を与えました。
一人の芸妓さんの舞いにただ魅入るだけだったのです。これが芸だ!! 勿論踊りの評価と言ったらまだまだ未知数のものがあります。しかし、芸とはそういうものではありません。つまり、人の心を動かせたらそれは一級品です。

私が教室で学ぶ将来の大女優に言いたいのはそこです。「人の心を動かす」、まさにそれに尽きますね。 10日ほど前に北陸地方の日本舞踊(新舞踊)愛好者のご年配の女性からお電話を頂きました。 「波島先生の事務所ですか!?、実は私が習っているお師匠さんに波島先生の振付作品を紹介したいのですが・・・・」と。その方の先生はもうご年配で「他の人が振付けた作品なんか・・・」とけんもほろろ。 そこでどうしても1本DVDを購入して師匠に観てもらいたいというのです。ある作品をお送りしてから昨日DVDが届いたとお電話を頂きました。
「内の先生がね、なんて素敵な踊りなんでしょう・・・・」と。 こうしたお話しは年に一度はあります。
つまり、踊りの美しさは理屈ではなかったのです。その師匠に習いたいとやって来る若者たち。 本気でお稽古してごらんなさい。素晴らしい自分が完成しますよ。

頑張って、日本の女性を演じ大女優になってください。

 

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