綺麗と美しいの違い

着物に憧れ!大衆演劇に魅せられて!歌舞伎を観て!女優さんを夢みて!

動機はみなそれぞれですがその夢の実現に向け日本舞踊教室の門をくぐって来る若者が昨今本当に多くなったように思われます。

しぐさ・ふるまい!美しいものに憧れるのはいつの世も変わらないですね!
波島陽子日本舞踊教室の生徒さんを見ていても、教室の門をたたく動機は同じです。
しかし、しばらくするとやりたいことと出来ることの違いに気づいていきます。

とくに芸事は1年や2年では到底習得できない奥の深いことであることにも気づくことになるんですね。
昔、職人さんは「技は見て学べ!技は習うものではなく盗むものだ」・・・とこのように弟子に話すことが多かったと聞きます。
例にもれず、波島も盗むものだという環境で育ったと言います。浅香光代師匠の厳しさは特にそうだったようですね。波島本人は「だから良かった!だから幸せだった!」・・・と恩師に感謝を忘れたことがありません。
厳しい修行の中で育んだ芸道!もしかすると波島の時代が最後かも知れないと思うほど厳しい芸能生活だったと察せられます。

それでも、自分の意志を貫き通し、この世界の名士に教を乞うてきたのです。
嬉しいことは、波島が「美しい舞」を追求し続けて来たことでしょう。美しいという定義は何だろう・・・!?きっと試行錯誤の中でその闘いがあったはずです。
もっと嬉しいことは、波島陽子そのものが芸能界では珍しい優しい心の持ち主であったことが功を奏したことは間違いないようです。
小笠原流とか、花柳流・井上流等々日本には周知の老舗が日本の伝統文化に今尚君臨しています。
波島も、花柳流から、西川流から日本舞踊の手ほどきを受けた一人です。浅香流という女剣劇の大御所の側にいて尚美しさを追求するのには、信念とともにとても勇気の要ったことだと思います。
独立し波島流を創流したときに大きな理念を掲げました。つまり、それが波島の美しさへのこだわりであったのです。

振付ビデオを制作するようになって約8年になりました。私は各作品を撮影し編集しひとつの作品を製品として完成させます。
その撮影時に初めて振付けられた作品に出会う訳ですが、その都度その都度驚かされ衝撃と言っていい感動に遭遇するのです。
プロデュースしている制作の担当者でもあるから、波島を売り込むひとつの常道ではないかと思うひとが居ても決しておかしくないですね。しかし、評価を誤張することは仮にマスターベーションであっても出来るものではありません。
「このお菓子美味しいですよ!」と言っても多くの評価がそこに無ければそれは公言することは許されません!
私が名古屋時代、京都の老舗の商品開発に関わったことがありました。全て私の味覚とネーミングでしたが、その商品はあの千枚漬けに匹敵するヒット商品になったのです。
商標登録を取得することを京都のお店に勧めた関係でその時点からその商品はその老舗の名産品となったので商品名を明かすことは出来ませんが、類似する商品は現在も後を絶ちません。
複雑な気持ちですが私には生涯の宝物となりました。

つまり、本物とは・・・、愛されるってことは・・・、ほぼ万人の支持が無いと本物とは言えないということです。

芸事は趣は違いますが、美しさにこだわる波島の芸道はまったく似ているものがあります。
振付け作品を1本買って頂くと、次は次はと注文を頂くことで美しい作品が証明されていると確信出来ます。
確かに浅香事務所にいたことで日本各地は勿論のこと、世界各国での大舞台を経験できたことはこの上ない経験であり財産になったと本人は話されます。

綺麗と美しいの違い

先日、生徒さんにこんな文言を投げかけました。
日本舞踊を通して、皆さんは「綺麗」と「美しい」はどう違うと思いますか・・・と。

いくつかのメールが届きました。その一部ですがご覧ください!

『先日頂いたお便りをようやく落ち着いて読ませて頂きました「綺麗」と「美しい」の違いですが「綺麗」は見た目で「美しい」は心や態度(内面)でしょうか?美声のど飴の場合は「美声(綺麗な心の声)」の意味は「綺麗な(乱れの無い)心で唱える美しい響き(美声)のお経を意味しています。
やはり日本語は奥が深いですね』

『日舞上達の秘訣の中の、綺麗と美しいの違いについてですが、初めてよく考えてみたのですが、綺麗は、自分でも日常よく使っている言葉で、美しいはあまり使っていないなぁと思いました。
合っているかは自信ないのですが。、多分綺麗は表面の見た目の事を言っていて、美しいは、その人や物の内面の素晴らしさをさしていて、またそれが相手の心に伝わった瞬間、美しいという表現になるのかなぁと思いました』

『たくさんのメッセージも読ませていただきました。ひとつひとつの言葉に啓発させられる思いでした。。「綺麗」と「美しい」の違いも考えてみました。
「綺麗」は表面的な美しさ、「美しい」とは人の内面から出る美しさを言うのでしょうか。
「綺麗な舞い」と言うと形が綺麗、とか基本ができているという風な、視覚的な言葉ですが「美しい舞い」と言うと人の内面的な美しさに触れて他の人の心を動かすような感動を表す言葉のように思います』

『陽子先生の実力のほどが今更の様に感服致しました。表現の素晴らしさ、おてもやん位しか踊って無い私に陽子先生の真似が出来るか不安。一生懸命努力して皆さんに喜んでもらえる様頑張ってみます。魅力ある踊りですね。長良川演歌はすっかり新作に成りました。
慰問ではリクエストが一番多く以前のをずっと踊って居ました。生徒も喜ぶ事でしょう~素敵な作品ありがとう御座いました 』

『大荒れの日本列島ですがお変わり有りませんか!?3月に入って慰問二件共大雨に大当たり大変でしたでも皆さん喜んでブラボー?なんて声が飛んで来たりして~叉念願であった新作を開始です‥
こぎ着けるまでが大変でした頭の固い市の職員さんばかり…まずは流しの踊りから入ってみます。
本当に素敵な振付で太鼓大好きな市民の心を捉えると確信して頑張ります。明日は新入生に陽子先生の新舞踊の素晴らしさを披露して上げようと思って居ます。私が生き生き出来るのも陽子先生のお陰だと心から感謝して居ますます。ます身を律っして夢に向けて頑張ります。陽子先生にご恩返しする為にも…希望と誇り喜びを持って頑張ります。』

『陽子先生の優しさは一本筋が通った優しさだと私は思っています。大らかな包み込む優しさこそ陽子先生そのものだと、舞姿をみながらいつも思っています。知性溢れた振り付けもお姿の美しさも心から慕っています。』

『陽子先生にいただいた御手紙を読み返し、読み返し、込み上げて来る涙を押さえながら時の経つのも忘れて居ました。陽子先生の舞姿の美しさ、匂うような優しさが、それでいて信念を内に秘めていらっしゃるお姿に憧れと尊敬の念をいつも抱いています。スタッフのみなさんが幸せだっておっしゃる気持ち本当良く解ります。また私の宝がひとつ増えました。
心からお礼申し上げます。。先生の心は忘れかけていた私に今更の様に胸に響いて来る言葉ばかり!
私は漕いで来た人生の垢が尽き過ぎました。陽子先生の誠実なお人なりを知る度に心惹かれて行きます。見習いたいと心から思っています。』
波島よりかなりご年配の老舗流派のお師匠さんのメールの一部です。

生徒さんや全国の波島作品愛好者の皆さんから届いたメールの一部ですが、「綺麗」と「美しい」の違いが垣間見えた気がしないでしょうか!?
日本人の心は「日本の文化の代表」と言って過言でない素晴らしい宝物です。

綺麗と美しいの違い

先日ご紹介したかも知れませんが、11月に某大学内で開催されるミスコンテストの決勝に残った女性(学生)が波島の門を叩いて来ました。
5名にまで絞られた決戦に備え、未体験の日本舞踊で自己アピールをしたいと言うのです!!!
従来ですとここで披露するのはそれぞれが最も得意とする「特技」が常道のようでした。
帰国子女である彼女も素晴しい趣味や特技を持っていました。いい加減な気持ちでは当然引き受けられないので波島も相当悩みました。それは相談を受けた7月からすると本番まで3ケ月しかない現実だからです。
特に日本舞踊など5年も10年もかかるものだから尚更です!

彼女の日舞を習いたいの趣旨はこうです。
『私は長年外国に居ました。当時強く胸を打ったのが外国人の日本の印象でした!みなさん、日本は美しく素晴しい国ですと大絶賛していました。確かに私も日本人でありながらそこまで共鳴もしていませんでしたが、それは外国のみなさんの感想が日本人の私にとってそれは当たり前の環境であったからだと思います。
当たり前の環境に居ながら、考えてみたら恥かしいほど日本を知らないような気がしたのです。
今回のコンテストで決勝に残ったとき、・・・これだ!!って思いました。これからお稽古して発表など・・・・!。でもこんな私を引き受けて下さる日本舞踊の先生は居ないかしら!?
そう思って探しました。行き着いたところが波島先生の教室でした。私は経緯を全て正直に説明し快諾して頂いたのです。ところがどうでしょう!波島先生は想像をはるかに超えた素晴らしい先生でした。月4回ですから本番まで12回という短時間です。
するとプロデューサーが特別レッスンをして下さるとのお話しになりました。どこまで出来るか不安でいっぱいです。でも、先生のお心に触れながら頑張ったら出来るような気がするのです』

この様に経緯を後日送ってくれました。

「波島先生にいつかきっとご恩返しがしたい。」・・・そう言って猛練習に励んでいます。
お稽古している内に、きっと「美しい踊りとは」・・・ということに気づいてくれると確信しているところです。

本当に口ではなんとでも言えますが、「美しい踊りの原点」がこの教室で見れることは実に嬉しいことだと喜んでいます。

 

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