若者への伝承が使命

令和元年の夏も想像を超える暑さ続きで健康な人間までも参ってしまうありさま!!
これで来年東京オリンピックって本当に大丈夫なんだろうか!? ハワイやグアムって常夏の国で世界中からバカンスに訪れますが、日本も暑さでは負けないようになってしまいましたね。
浅草も夏の行事は全て終了しました。三社祭り、ほおずき市、隅田川の花火大会、そして先日の浅草サンバカーニバル。 雷門通りは江戸の町ならぬサンバのパレード!!
世界中きっとみな同じだと思いますが、町の活気はやはり「祭り」ですね。地域振興事業を考えるなら、町を元気にしたいのなら、町中が一体となって祭りに参加し盛り上げないといけません。
浅草には立派な歴史がありもっと栄えても良いと思うのですが、ここが人間の絡みで難しいものなんです。 先頭に立って引っ張る御仁が居れば良いのですが、それも町全体のことを考えないといけませんね。 昨日NHKの「笑福亭鶴瓶の鶴瓶に乾杯」という番組で参考になるシーンがあったので紹介します。
昨日は福島県会津若松市田島町を訪ねる回でしたが、そこでは500年も続いている「祇園祭」というのがあり、そこでの田嶋町での町民の団結力は大人から子供まで見事なものでした。
「町を良くしたい・・・」とはきっと誰もが思うのですが、だからといって率先して協力ということになるとみなてんでバラバラ。気の毒を絵に描いたようなものになります。
私の故郷でも八坂の祭りでしたから屋台は京都や昨日の田島町と全く同じでした。懐かしかったですね。
舞台上で舞う踊りや芝居の練習を3ケ月くらい前からやっていましたね。それでも参加する者は一人減り二人減り・・・・で年々盛り上がりを欠いてしまいます。
ところが、隣町のお祭りはそれは見事でした。今でもそうですが、つまり町民の一体感が違うのでしょうね。行政の後押しも事務的で弱いのが現状。 日本で残っている大きな祭りでも苦労している訳だからそうでないところはもう少しで消えてしまうのではないだろうか状態。
活気、すなわち団結力。 伝統を遺すことの難しさは今更ながらによく経験しております。
日本の人口も年々減ってしまい、いつか日本が消えて無くなるんじゃないだろうかとさえ懸念してしまいます。
だからこそ、伝統やそうした行事を受け継いで頑張っているみなさんを見ると尊敬しますね。
昨今、波島陽子日本舞踊教室には画期的と思えるほど新人さんが体験に訪れます。ここでいう体験とは、体験してみて良ければ自分も日本舞踊のお稽古をしたいというものです。
体験者の78%は入会されます。決めての殆どが師匠波島陽子先生の実力(指導力)と人間性のようです。
もともと波島はこの教室を興したいと思った動機が「一人でも多くの若者に日本舞踊に触れてもらいたい。 着物に慣れ親しんでもらいたい・・・・」がその願いでした。
芸事は実力が伴わないと人は寄って来ませんが、それ以前に大切なのが人間性です。

教室でのお稽古の殆どが「個人稽古」というのも魅力なんでしょう。私も面接でよく話すのですが、他の教室との大きな違いはお稽古時間は生徒さんに合わせるという考えられないシステムです。
何年も習っている人はもう当たり前になっていますが、他の教室ではそうはいきません。つまり、お稽古は先生に合わせるシステムだからです。 80余名もの生徒全てに時間を合わせるなどきっと想像もつかないことでしょう。 それでいて怒ったことがない!! つまり「私は先生だ」などと上から目線は皆無です。 接する生徒さんの性格で状況は変わりますが、ここで礼儀作法とは本物かそうでないかに別れます。
私は、日本舞踊の前に「礼儀作法を身につけてね・・・・」と密かに願っている一人です。礼儀作法を学び日本舞踊を踊れたら鬼に金棒でしょう。

舞台に立ちたい、着物姿での振る舞いやしぐさを身に着けたい、女らしくなりたい。日本人なんだから着物を通じて素敵な日本舞踊でも・・・、思いは本当に様々です。
習いながら、時には海外で披露できる。都内や日本各地のディナーショー等に出演できる。
こんな恵まれた環境はきっと少ないと思いますよ。

それでも、波島の願いは継承です。伝承し続けることを諦めずに来年芸能生活35年を迎えます。その記念行事の一環として来年の秋には秋田公演が予定されています。
秋田にも熱血漢が居て、4年前に「湯沢湯乃華芸妓」を設立。少しずつ活躍の輪も大きく広がってきました。 この湯沢湯乃華芸妓さんと波島教室がひとつになって2020の秋に合同公演を開催することになりました。
日本のどこかに、こうして頑張っている人が居るんですね。本当に素晴らしいと思います。来年の開催は、地域おこしに少しでも役立てればが目的です。

日本舞踊も、今日の明日踊れるという代物では決してありません。1日1日のお稽古の積み重ね。これは夢に向かう信念のようなものがないと決して出来ませんね。
一歩一歩と歩き続ける姿に、周りのみなさんも日本の伝統文化を守り続けているそうした人間をお一人でも多くのみなさんが応援してくれると嬉しいですね。
日本舞踊こそ日本の宝です。日本舞踊こそ日本の文化です。日本人なんだから。

 

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