これが浅草です。あれから1年経ってまだ収束をみないコロナ騒動。
先日はあの東日本大震災から来月で10年という節目にまた強い地震に見舞われました。雪国はまさに、豪雪とコロナ、それに地震では三重苦です。
地震大国日本は、噂でなく近々に大地震がやって来る可能性は非常に確率は大きいのかもと思わせる先日の震度でしたね。
観音様のお膝元にいても災害には遭うんだろうなと思えば信じられるものが無くなってしまいます。
浅草は観光地であって古い歴史の町です。しかし、このコロナの影響で大きな店もまた会社も姿を消すという一大事!! 仲見世のお店でも何店舗か姿を消してしまいました。
生きるということを考えさせられる出来事に、人の心も不安でいっぱいでしょう。
そんな中、波島陽子日本舞踊教室では開校以来初めての珍事に驚いています。
それは、緊急事態宣言を2回も3回も潜り抜け、この間になんと生徒さんが激増しているのです。驚くしかない現象です。しかし、改めて日本舞踊を習いたいというみなさんの思いはある共通点がありました。
自粛自粛でどこへも行けない。食事も旅行も。それぞれのみなさんは「何かに夢中でいたい」、「こんな時期だからこそ一人で動ける何かを・・・」と考えた時、日本舞踊のお稽古にたどり着いたというのです。
通う生徒さんには勿論東京育ちの人も居ます。しかし、多くの生徒さんは東京に出て来た地方に故郷を持つみなさんです。 「日本人なんだから着物くらいは着れるようになりたい」「美しいしぐさや振る舞いを身に着けたい・・・」がその理由の殆ど。面接をさせて頂いて共通して感じるのは、日本舞踊を習いたいとするみなさんの性格やものの感じ方です。つまり、本当に優しい心根の人が多いのに救われます。日本もまだまだ捨てたもんじゃないな、そして日本舞踊教室を運営していて良かった・・・と思える瞬間でもあります。
どなたが調査されたのか分かりませんが、お陰様で波島陽子日本舞踊教室は「日本舞踊教室ランキング」でダントツ1位にもう10年も君臨しています。このように評価頂けることはとてもありがたく嬉しい限りです。
昨年、波島陽子の恩師淺香光代先生が旅発たれましたが、きっとこの噂は耳にされて逝かれたことと思います。
どんな指導にしても、人を育てるということは決して半端な気持ちで出来ることではありません。厳しさの中に愛情や思いやりという優しさがあって初めて人は育つと言います。今回ご入会の皆さんはコロナで決心されたのです。その思いを大切に接する波島にはいつも頭が下がります。
いつだったか、私はインバウンド関係の営業の人に苦言を呈した話をしたかと思います。信念も無く、金儲け第一のお歴々がこの伝統文化をいたずらに道具として商売をしています。つまり、「他人(ひと)のふんどしで相撲をとる人」が伝統や文化を商売道具にしているということです。勿論そうでない人も居ますが、それぞれの会社は営利を目的としているので無理もないのかも知れません。つまり、伝統や文化は商売では出来ないということです。
そう言われると真っ赤な顔をしてムッとされ帰ってしまいます。そのとき、「良かった」と思うんですよ。つまり、しっかりとした信念や理念がないから感情で帰るんですね。
特に、日本舞踊は礼儀を大切にをモットーに人に優しくコツコツと日々を送っているのです。
コロナに遭って本当に人の心が変わりました。生きるためになりふり構わずなんでしょうか!?
伝統や文化に関係した毎日に、こんな時代(とき)だからこそ改めて日本舞踊教室の運営の在り方をもう一度更に良い方向へと自信を持って推し進めて参りたいと思います。
私どもは、一生懸命通う生徒の皆さんの心根に触れられるだけでも贅沢な仕事だと思えてなりません。
告知したように、波島陽子は今年の秋(10/10)故郷秋田県湯沢市(湯沢文化会館)で公演を行うことになっています。これも本来昨年秋の開催の筈でした。私たちがお見せしたいのは、このように生きている波島の心根です。一方的にただ舞台に上がるのではなく、そうした気持ちの伝わる舞台であって欲しい訳ですね。出演者も「舞台に上がれる・・・」等の上気した気持ちでじゃありません。それだけに、波島チームの本番へ向けてのお稽古は1回も休むことなくこのコロナ禍にあって更に素晴らしい舞台にとの頑張りに見ていて心が熱くなる思いです。コロナに負けない・・・ということはそういうことではないでしょうか!?
閑散とした仲見世通り。いつか豊かな笑顔(こころ)が集まる日がきっとやって来る筈だから、とにかくそれぞれの我慢と頑張りでこの難局を乗り切りましょう。