早いですね!今年も残すところあと数日となりました。それぞれに悔いのない日々を送ることが出来たでしょうか!?
今回は波島陽子日本舞踊教室に通う1組のグループを通してお稽古事についてお話してみましょう。こちらのグループは仲良し10名が集まって毎年開催される全国芸能大会に趣味を通じて頑張っているみなさんです。
おそらく、一人一人それぞれのお仕事や家事等が異なりその仲間が一同に会すこと自体難しいのではといつも感心させられています。
前提には「好き」というのがあって成り立つ訳ですが、これをまとめているリーダーも凄いですね。
今から7年くらい前の丁度今頃だったと思います。「毎年開催される芸能大会に参加しているのですが、何回挑戦しても予選を通過できないんです。いつか決勝の舞台で踊ってみたい」・・・と波島教室を探してやってきました。
それぞれが約1時間くらいの通勤距離でしょうか!?最初お会いしたときは日本舞踊の基礎が出来ていないことに波島も四苦八苦だったことを覚えています。
救われるのは皆さんが明るいということ。そして何より仲良しだということ。勿論それなりに一生懸命だということ。これらが救いでした。
特に素人さんは「楽しむことを第一に」が基本です。これは他の生徒さん全てに言えることです。
なんでもそうですが、楽しめないことは決して長続きはしません。もう懐かしい話になりますが、メンバーの特徴を生かした作品は確実に評価対象になり初めて予選を通過したそうです。
正直私はびっくりが先でした。今思えば波島のキャスティング効果が秀でていたんですね。
お稽古を重ねながら一人一人の性格や特徴を掴む。これを愉快なドラマ仕立てにした訳ですが今思い出しても第1回目の参加作品ははまりました。楽しみながら日舞の基礎が大切であることを諭す。若いみなさんと違って大変でしたがみなさん若者より元気だったんじゃないでしょうか!?趣味にしても素晴らしいことですね。

振付けをする際、本来は波島に希望があるのですがまだまだ無理かなと思えば「出来る、動ける振付けに修正しながら」作品を完成させていったのです。

1年が過ぎ、2年が過ぎ、メンバーは何か楽しみ方を覚えたようです。その証拠に開催される予選だけは全て通過。波島教室へ来て6回の大会は全て決勝へ!!驚くことに最初の年は初めて5位入賞!!そして3位、準優勝と短期間でこの確率。今回は入賞を逃しましたが着実に力を着けたと言って良いでしょう。

おそらく、他の出場チームとの違いは演じることの意味、心得みたいなものは確実に身に着けたんじゃないだろうか!?
このメンバーのお稽古風景の特徴は「笑い声」です。10人いるといろいろありそうですが実にまとまりのあるチームなんですね。
あくまでも素人さんが楽しみながらやっているお稽古です。教室にはプロの役者を目指す若者が何人も通っています。
普通、日本舞踊の上達はやはりお稽古回数ととても関係があります。真剣にお稽古して最低でも魅せる舞いは10年かかると言われています。
波島教室に4歳の頃から通っている女の子が居ますがもう8年も通っているわけです。一般のお姉さんたちより遥かに上手くなりましたね。4~5歳の頃から習うのは理想です。
この女の子は将来きっと日本舞踊を活かした何か・・・と夢を膨らませているに違いありません。

出来ることなら、本来は子供の頃からのスタートは理想なんですね。基礎がしっかりしているからおそらく今後素晴らしい踊り子になること間違いないです。
いろんな趣味に没頭しながら青春時代を過ごす者。少し家庭も落ち着いたからと習い始める者、人みなそれぞれです。

大衆演劇が大好きで「習ってみたくなりました」・・・ときっかけを語ってくれる若者も少なくありません。指導者が舞台女優であったこともこの教室に通う生徒さんは幸せです。
古典物や日本舞踊の美しい基本の手をふんだんに使いこなした新舞踊の振り付けは、時に涙し時におなかをかかえて大笑いできる作品へと生まれ変わります。
冒頭でご紹介した団体チームの皆さんがここまで頑張れるのも指導者への安心感があってのことだと思われます。
全国に波島陽子の作品で舞台に立っている人が約3000人以上はいると思われます。中には、チームで全てを波島作品で舞台に上がるチームがいるとききました。
誰もが「素晴らしい作品」で踊りたいんですね。

楽しみながらは勿論のこと、正しい芸が身に着いたらこれ以上の喜びはないはずです。長続きも、楽しみながらも、そこには本物の指導があってこそなんだと思います。

全国の先生からの特別注文で時々波島は依頼された作品に振付を施します。私が編集するので分かりますが、実に素晴らしい作品が誕生します。
お届けするときに、「お送りする作品はあくまでも波島の振りつけです。先生が踊りやすいようにアレンジすることは一向に構いませんよ」とメモを添えます。
時々、「発表会等で踊った映像です」・・・とビデオが送られて来ますが、そこで教えている先生のアレンジに愕然とすることがありますね。
作品(振付)にはそれぞれ意味があって振り付けられています。本当に日本舞踊を知っているかいないかの違いですがとても残念でなりません。楽しめれば良い・・・はその通りです。
しかし、指導者はそれではいけないんですね。
全国からの依頼と浅草の教室での稽古風景を観ながら、やはりなんでも基本を学ぶべきだなと思います。楽しみながらも、基本が何であるかを考えるだけでも役立ちます。

日本舞踊が特定な人の道楽のように思えても立派な文化であり伝統です。美しくなりたい・・・と思うのは共通しています。
こんな世の中だからこそ出来れば着物を着て欲しい。着物文化を謳歌しながら日本の伝統を受け継いで欲しいと思うのです。
今回のこの団体さんが何年も何年も通い続ける情熱には頭が下がります。それだけに、本物志向で歩いて欲しいんですね。

ある意味、団体さんを見ていて教えられることが本当に多いのに気づきます。一生懸命の姿にはやはり心打つものが間違いなく潜んでいるのですね。

また、来年も、そしてまもなく年号が変わるようですが、ずっとずっと日本の文化を、伝統を楽しみながら歩いてください・・・と願っています。

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