コロナも収まり、インバウンドもコロナ前に戻ったと仲見世を見ただけでもその観光客の多さでよく分かります。
私たち教室でも開校まもなくは大手の旅行会社等々のご要望で日本舞踊や着物の体験ツアーを引き受けて多くの外国人のみなさんに日本の伝統である日本舞踊を通し、その文化を日本人独特な仕草や振る舞いを通して提供して来ました。
本職ですからそれは喜ばれましたね。お友達にもなれたのは不思議な現象でもありました。
それがきっかけで「振付ビデオ」を制作して欲しいとブラジルから!!
何年も諸外国からのお客様に日本の素晴らしさを紹介できたのは良かったかな・・・とも思っていましたが、嬉しいことにそれよりも波島教室は日本の若者を中心とした生徒さんが異常に増えインバウンドどころではなくなりました。
中途半端に体験のお客様を引き受けることは良くないと決断。そんなときに「コロナ騒動」となりました。
観光でいらっしゃる皆様に、出来ることなら今まで通り本物の美しさを提供し続けられたらなとも思っていましたが、このコロナをキッカケに本来の日本舞踊を専門に指導する形態にとシッカリと方針を固めたのです。。
旅行業者様に新年度の(コロナ後)体験ツアーの企画をこの春より正式に辞退。従来の日本舞踊教室のみに専念できるようになりました。
それでも指導者が休む間もないほどの生徒数に膨れ上がり、本来の日本舞踊教室がお陰様で正しく機能しているのは嬉しい限りです。
正直、インバウンドは当然中間に旅行業者等が入っている関係でどうしても中間マージンが発生します。
つまり、本格的な教室運営をしている以上軽々しくこうした企画には対応できないと悟りました。日本の伝統芸は安価で対応できるものではないという事です。
外国のみなさんが、波島の舞にため息をつき歓喜の拍手へと変わる。
やってみて良かったなとは思いますが、本格的な商品に触れるにはやはりそれなりの対応(価格設定)が必要で「商売と芸術」ということの考え方を間違えてはいけないということですね。
私も仕事の関係上、お茶や忍者ショー等々、多くの体験、また着物ツアーも実際に触れてみました。
特に日本の伝統芸は薄利多売的な扱い、また「にわか体験ショー」なるものは必ずいつか日本の正しい姿を損ねてしまうことになることをその責任の中で学ばないといけません。
浅草に限らず全国いろんなところで刀を振りまわすまがい物を目にします。
「金になれば良い・・・・」と考えるオーナーにも会いました。
昔、イギリスにミュージカルを観に行ったことがありましたが、やはり本物には間違いなく感動します。
その切符を手にするのも大変だったことを昨日のように覚えています。
秋になり、生徒さんもいろんな舞台に参加し日頃のお稽古の成果を試すのに一生懸命です。
感動とは、本物であるべきですね。当教室のみなさんも「美しさ」を求め日々頑張って居ます。
考えてみれば、諸外国からいらっしゃる観光客の皆さんは何故日本に好んで足を運ぶのか!?口を揃えて「日本は美しいから・・・」とその本物の美しさに触れたくてやって来ています。
私どもも10年ほど「着物を着て浅草を歩こう」で楽しんで頂きました。まったく手を抜かない対応にみなさん帰ってからもメールや写真が届きましたね。
「日本は美しいから・・」を裏切ってはいけませんね。
日本は全てに美しいんだから。