日本文化・芸術というのは今更ながらに素晴らしいものだと驚きますね。
特に最近敢えて「本物」という表現を連発していますが、おそらくご存知の様にすざましいインバウンドの影響からだと思います。
例えて言えば、最近のスキー場ひとつ見てもその驚きは想像以上です。先日も日本列島は真っ白になったと大雪で大騒ぎしています。併せて各スキー場は外国人でいっぱいでもあります!!!
雪国出身で、私が若かった頃に比べたら少し前までは毎年毎年スキー場は空々であそこもここも倒産倒産と悲しいニュースばかり!! それがどうでしょう!!今や私の田舎では外国人でいっぱいです。それも15万コースや25万コースと驚きの商品が・・・!!!??。スキーは勿論、かまくら体験や雪遊びをセットでです!!!!? こんなに高く売れるんだ・・・!!!全てSNS等ネットの影響なんですね。
いつも話すように、私が住んでいる浅草で言えば勿論想像を絶する外国人観光客に浅草を占領されているような状況です。 これは、鎌倉しかり、京都しかり、日本人である私が「大好きな京都に行きたくない・・・」と思うほどです。
観光立国の将来を考えないと・・・。外国人観光客は「日本は美しいから・・・」「日本は親切だから・・・」等々が大きな要因であるのは私も認めます。
ただ、ここに大きな懸念があり落とし穴があります。それは商売商売、つまり儲けられれば何でもあり・・・に歩調を合わせてはいけないということです。
私が、10年近くも外国人観光客相手に「着物を着て浅草を歩こう」とか「日舞体験」と称し大手旅行会社の企画のお手伝いをさせて頂いていました。
それが、コロナという機会が考えさせる時間をくれました。ふと考えると波島教室の本来の目的は日本人に、特に日本人の若者に「本物の美しさ」を日本舞踊を通して伝えることだと再認識したからです。
旅行者と私たちの中間で旅行者を斡旋する様々な団体が増えました。老舗大手旅行会社は別として、みな最近会社や団体を興した素人ばかりです。本職ではないのでその殆どはまるで自分がやっているように大げさにその内容を膨らませ営業しています。誰かがこんなことを言っていましたが、「他人(ひと)のふんどしで相撲を取っている輩・・・」と、本当にそうですね。
まるでスーパーかと思うほどその仕込み(仕入れ)を値切ってくる・・・!!
かと言えば忍者ごっこをしているグループを探し、間違った芸を見せて商売にしている。まさに、日本の危機と言って良いでしょう。
今一時的にはそれで済むかも知れません。
ゴールデングローブ賞を受賞した「SOUGUN」の影響もあり外国人は武士や忍者に殺到する。嬉しい反面、涙が出るほどその危険を見て居ます。
偽物の化けの皮は必ず剥がれます。そして必ず飽きられます。それは偽物だからです。
日本の各地で中国人経営者が「着物体験」を運営していることを知っている人は少ないでしょう。
私ども波島教室の着物体験は「歩き方」、「写真のポーズ」までご一緒して居ました。本物を体験させてあげたいからです。
本物は廃れることはありません。でも、考えてみたら外国人の為にやっているんではないとふと思ったのです。そう決めてから生徒さんはお稽古に目の色が変わりましたね。
日本の芸事、特に日本舞踊など本当に心あって成り立っているんですね。
時々師匠波島は映画やテレビドラマの指導を頼まれ出かけますが、女優さんの目が輝きます。
時代劇や着物に関係しての演者はやはり本物の仕草を身につけたいんです。監督がそれを一番求めています。 指導されたそのシーンを見て、「先生ありがとうございました・・・」と笑顔が返って来ます。「あ~・・・、原点なんだな~・・・」と思える瞬間です。
政府もここは大切なところです。今インバウンド事業が凄いからと言って何でもありは逆に国を滅ぼします。
波島陽子のコツコツは本当に日本の財産なんだと思うと、全ての関係者に「日本の心」の再認識として一体感の持てる政策にと考えて止みません。
観光客が凄い・・・とだけ思っているようでは日本を守ることにはならないんです。
最近フジテレビの問題で騒ぎが起こっていますが、「何故問題が起きたのか・・・??」の根本に触れないからでしょう。
人としての正しい心の持ち方の有無で起きた問題だと何故視点を絞らないのか・・・!?
人の上に立ったと勘違い。自分は有名なんだの勘違い。併せて「謙虚さ」や「感謝」の心を失えば人間は破滅する証明でしたね。
会社をダメにした経営者を沢山知っています。有名タレントが何故消えてしまうのか!!!?全て心の持ち方を間違えたからに他なりません。
人間は、「感謝の心」を失くしたら人では無くなります。 おそらく学校で「実るほど頭を垂れる稲穂かな・・・」はみんな学んだはずです。
今、これだけの観光客が押し寄せている時だけにみな守らなければならないことがあるんじゃないだろうか!?
本物の芸とは、心あってです。商売にするものではありません。私は、今回波島陽子を通じ、波島教室を通じ、本物を伝えるにはどうしたら良いかを更に考え続け、日本は勿論、世界各国にその伝統芸の素晴らしさを伝え続けて行こうと改めて思っています。
近い内にその一環として世界に日本の伝統芸の素晴らしさを観ていただけたらな・・・と願い計画中です。
波島陽子芸能生活40周年にもっともふさわしい内容に出来そうで今からワクワクしています。