斬られ役がヒーロー

昨日は殺陣集団「志導塾」の主宰者にご招待を頂き「志導塾・演舞会」を観に行ってきました。
私がこだわり続けている心の剣。これは剣に限らず演ずること全てに言えることですが、魅せることのできる芸事は非常に難しいですね。
特に時代物がそれです。現代を演ずる作品は「世の中(時代)変わったな~」と思いながら観ますが、時代物はそうはいきません。
時代劇でも日舞でもその時代の空気感のようなものが美しい所作となって日本独特の空気が醸し出されるんですね。

仕事の関係でいろんな殺陣チームを見て接して来ましたが、正直正しい所作を見せることの出きるチームはなかなか少ないのが現状です。
自分が格好いい・・・を前提にものごとを表現しようとするからなんでしょうね。
剣を持って「かっこいい・・・」なんて在り得ません。だって相手を殺すんだから・・・。
しかし、基本があって心が備わるとそれは違います。ここでいう「心」を理解するのに若者は大きな迷いと遭遇するはずです。
年をとったからその感じを表現できるものではありません。先日、ゴールデングローブ賞を受賞した「SHOGUN」に見るように、日本独特の空気「所作」が評価されたのは周知の通り。

改めて昨日はそこを意識しながら舞台を見せて頂きました。
確かに立ち回りは受け手が良いと迫力があるように得てして主役を中心に演出するキライがいつも見え隠れしています。
上手い斬られ役が居ても、その斬られ役を受ける主役の上手さ。お互い様の世界ですね。
今回の主宰者太田師匠の迫力がそれを物語っていました。「静」と「動」がうまく絡みあって見えるのかな!? こんな素晴らしい指導者に手ほどきを受ける塾生は幸せだと思う。 空気は年齢ではありません。そこが演技者の求められる最大な課題でしょう。威張ったり怒ったり命令したりとする師匠が多い世界。志導塾の師匠は波島同様とても「謙虚」な心の持ち主です。大切なのはここかもしれません。