名取誕生

今年新たに3名の名取りが誕生しました。
「波島百合子」「波島紫乃」「波島白波」の3名です。おめでとうございました。

私も多くの業界の名取を知っていますが、まさに波島流の名取りは名実ともに家元波島が選んだ逸材です。
他の流派では試験があったりその他家元に多額の金子を積むことで許される場合が少なくありません。

先日、たまたま経理事務所に通っている人が「日舞の世界って凄いんですね・・・・」とその事例を話してくれました。
「チーフ、私のお客様で年間100万円も払ってお稽古している人がいたんですよ・・・!!」と。
舞台に出れば、名取になれば・・・、その都度相当な金子となることは師匠波島も当然知っていました。

しかし、これでは若者はなかなか日本舞踊を楽しむなど遠い世界になってしまうとの懸念から「波島教室」を開校しました。
全て「個人稽古」というシステムで今日まで続けて(稽古)いることは奇跡のようなものです。
10人や20人を教えている訳ではありません。在籍100数十人のお稽古全て
「個人稽古」は本当に気の遠くなるような過酷な重労働です。
従って月謝については全国のどの教室よりも安い設定で特に若いみなさんには安心して取り組める素晴らしい教室だと言えるでしょう。

その事を理解している人も、それが当たり前でただ安心の中で通っている人も少なくありません。
家元は誰よりも謙虚ですからそのことには一切触れません。それどころか個人稽古ですからそれぞれ生徒さんの力量に合わせて日々一生懸命取り組んでいます。

お金をもらうことで「名取」をあげてレベルが大きく下がったなどは極当たり前なことです。波島はそれをしません。
レベルは勿論、舞台経験、そして何より「人間性」を重視し「日本の美しい心」に対し与えることを許可しているのです。
勿論、キチンと踊れることが最重点ですが今後も素晴らしい名取りが登場するのではと楽しみにしています。

「感謝」の心、「謙虚」な姿勢。その上で「美しい心の表現」を評価して与える名取貸与制度。
本物が育ってくれることを願って止みませんね。