昭和の童

さていよいよ「わんぱく時代」に入りましょう。

今考えると子供の頃は朝早く飛び出して夕飯ぎりぎりまで飛び回っても一切親は心配していなかったと思います。

それはさすがに夜7時頃居ないとなると心配したんでしょうが、本人も遊び疲れて巣に戻るってやつですね。
でも、不思議ですね。子供時代に一人でご飯を食べた記憶はありません。
昼は別として朝と夜はその殆どを家族が全員食卓を囲んでいたように思います。

恵まれていたのは母がなんでも出来た人だったということです。
料理など、今考えたら毎日高級料理店に負けないくらいな味付けの出来る人で今で言えば伊勢丹や三越のデパ地下ってやつですか!? 極端に言えばそれ以上だったかも知れません。
魚の煮つけ、きんぴら、煮物類、特に玉子焼き、ロールキャベツ・・・、みな一級品でした。
また、和裁に洋裁、編み物・レース、組紐等々。 子供の頃は生徒さんが居たくらいです。
今考えると貧乏だからやらざるを得なかったのかも。注文品の残り毛糸で子供時代はいつも新品のセーターやカーディガンでした。

でもやっぱりどちらかというと放ったらかしでした。

家がお寺でしたから周りは全て墓地。勿論そこが一番の遊び場です。
小学生、確か低学年の頃だったと思います。
探偵ごっこに夢中で、隣の3歳年下の遊び仲間を捕らえて敵の大将をおびき寄せよと木のお墓に縛り付け戦は続きました。
辺りが暗くなった頃、「あっ!そろそろご飯だ・・・」とみんな解散。食卓につきました。
しばらくすると前の家のおばあちゃんが「としおちゃん、うちの誠之知らんかね…」と。「知らない・・・!」「だってみんなで遊んでたんでしょう・・・・!?」
おかしいな・・・とっくに帰ったはずだけど・・・。「アッ!もしや!?」
遊びを辿ると「お墓に縛りつけたままかも・・・・!!」。慌てて行ってみると案の定彼は泣き疲れて首をうなだれていました!!我々チームは3人で「勝った~」と雄叫びを上げて家へ戻っていたのに・・・!!
想像してみてください。怒られたのなんの・・・!!