世界一の演技

体操ニッポンが個人総合を連覇してもう20日も経つんですね!!

凄かった、強かった。しかもオリンピック出場が全員初めてという体操男子ニッポン。

予選1位の特権があって橋本大輝は最後の種目鉄棒はまさに大トリの劇的逆転勝利。日本体操界の層の厚さに拍手喝采でした。思い出せばまだ余韻は残っています(笑)

私も学生時代は体操をやっていましたので現在の技の凄さはその比ではありません。完璧でないと大事故(怪我)になるという紙一重の演技。

体操競技というのは1種目だいたい長くて1分10秒です。1分ですよ!60秒ですよ。この時間の集中力。神技としか言いようがありません。

私は、舞台に挑戦するお弟子さんに時々特別指導を施すことがありますが、日舞(新舞踊)の舞台用作品はだいたい4分くらいでしょうかね。でも宙返りをする訳ではありません。その4分に物語の主人公になってくれればそれでいいだけなんです。勿論、基本がしっかり身に着いていての話です。それぞれに人生を経験し、喜怒哀楽は誰でも身を持って体験している筈です。だから、初めから「出来る」と信じて指導します。

しかし、習う側の意識はまた別なんですね。そのせめぎ合いを調整しながらその人の持っている感性を引き出す。だから、その瞬間が見えたときは「ほら出来たじゃない」「どうして出来るの?」と返してやります。

素人さんが大舞台に上がるって凄い冒険に思いますがそれは違います。なまじ「私は出来るんだ」と舞台に上がる経験者が居ますが大間違いです。そこにはまったく新鮮味が生まれないからですね。

波島社中の舞台が美しいのはそこです。優しい思いや相手を思える心根は体操競技でいう最高難度だからです。