強い人間

新横綱「豊昇龍」の誕生。堂々たる土俵入りで春場所の幕を開けた。綱を着けた豊昇龍。それなりに似合うから不思議だ。
しかし、優勝候補第一人者と言ってもいいこの新横綱、さすがに緊張は今までになく強かったようだ・・・。初日の黒星こそがおそらくその緊張を打ち破ったと思いたい。
本当は、日本人横綱を期待したいがこの強さは納得をせざるを得ない。もっと言えば日本人力士にその気概がまったくモンゴル軍に負けている。
勿論、誰一人油断などあろうはずがないことは十分承知しているが、全て結果論だ。「気持ちの持ち方」がどれほど大事かモンゴル群団を見ればそれが判る。
国技なんだからと、こればかりは強い者が勝つ。しかし、日本人力士の誇れるところはやはり「心」だ、「礼儀作法」だ。
こればかりは全世界に誇れるものと同じ日本人として自慢できる。

しかし、強くないと・・・。
この強さこそ心の持ち方以外ないのだろう・・・。私が子供の頃、栃錦一行が巡業に来たことを覚えている。そこで見た各稽古場の稽古は今では信じられない光景の連続。 弟子のふがいない申し合いに対し竹刀が容赦なく尻に飛ぶ。それも凄い音とともに・・・!!「凄い・・・」というより「怖い・・」と思った。それでも「もういっちょう・・・」と兄弟子に向かっていく。
今の時代、それは許されないが「愛のムチ」は必要なんだと思う。
外国人力士に負けない日本人横綱を作るためにも、強い人間を育てて欲しい。