許婚に先立たれた若き陰陽師「安倍保名」の舞踊。
紫色のはち巻をしている人は病に犯されているという歌舞伎の約束事。
時代劇全盛時代を謳歌した素晴らしい俳優「大川橋蔵」さんの「恋や恋なすな恋」という映画。嵯峨美智子さんとの珍しい作品に出会い、久しぶりに夢中で見入ってしまいました。
着物の仕草の美しさ。剣を持っての立ち回りひとつ。その美しさは日本舞踊をしっかり踊れる力があってこそなんだと今更のように思います。
銭形平次や桂小五郎、若殿や火消若衆。どんな役でも演じきれるその美しさは、この作品「保名」を観て納得です。
同じ舞踊家として遠い到達点に思えるほどの美しさ。
現在インバウンドで日本の美に触れたいと大挙して押し寄せている現在。浅草で言えばここもすでに浅草ではなくなってしまっています。
観光と言い換えればそれまでですが、このままではこの素晴らしい浅草ひとつとっても近い将来大変な危機が迫っていることに気づかなければなりませんね。
売れればいい!儲かればいい!勿論浅草だけではありません。
ご存知のように先般日本映画「SYOUGUN」がゴールデングローブ賞を受賞しました。日本にもこのようにこだわり続け、美を追及している人も居ます。ご存知真田広之さんの信念に拍手ですが、周りはみなさん便乗商法です。
きっと、政治家のそこはまったくなんの意識もしていないのではないでしょうか!?
本物へのこだわり。この「保名」ひとつみてもその良さに触れたら日本ってなんて素晴らしいんだろうと思うはず。