今回は素晴らしい女優さんを紹介しましょう。
勿論ご存知の人はとても多いはずですが、残念ながら昭和の終わりから平成生まれの人はきっと知らない人の方が多いんじゃないでしょうか。
日本一の大女優、それは「藤純子」さん、私の一押しです。
時代劇は東映と言われた黄金時代にはまだそれほど名は売れていませんでした。いろんな出会いの中で「尼寺㊙物語」で初主演を果すとその翌年、ついにあの名作「緋牡丹博徒」の主役に大抜擢されました。衝撃でしたね、とにかくカッコよかったです。
日本の大女優というと勿論何人か居ます。私の中では浪花千栄子さんなんか最高でしたね。素晴らしい役者さんでした。京マチ子、森光子さん。もっと言えば私の知らない原節子さん。古すぎるだろうか!?松坂慶子さんと言ったら分かるかな!?
それら多くの名女優と言われる中にあって、華があって娯楽映画でありながらつい吸い込まれる魅力をもった女優さんは少なかったですね。
藤純子は7歳の頃から日本舞踊をやっていただけあってその振る舞いやしぐさの美しさには心まで奪われてしまいそうでした。ひと言でかっこいいんです。
今観てもとても新鮮です。
緋牡丹はシリーズ化され藤純子の最大の当たり役となりました。ご存知の方も多いでしょうが、高倉健や鶴田浩二の大スターを相手に、作品は「日本女任侠シリーズ」へと瞬く間にスターダムへ駆け上がりました。美人女優が片肌に入れた入れ墨。勿論全て着物姿ですが、「綺麗だ・・・!!」、そう頷ける大女優と言って良いでしょう。松竹映画に見る文芸作品と違って楽しめました。
高倉健の「日本侠客伝」等々に彼女が出るとそれだけで作品の厚みは増したものです。
私は時代劇が大好きでそのDVDの保有枚数は700本以上でしょうか!?
特に大好きで集め始めたのが中村錦之助・大川橋蔵・月形龍之介・市川歌右衛門を始め持っていない作品(もの)は殆ど無いほどの強烈な時代劇フアンですからね。楽しかったこの時代劇が衰退してからです。そもそも時代劇がスクリーンから消えた原因がテレビの台頭でこの影響は大きかったんでしょうね。
これらの時代劇が姿を消して登場したのがこの任侠シリーズだったんです。中村錦之助まで任侠映画に出演したんですからね。そんな当時の紅一点。おそらく主役を張れたのは藤純子だけだったと思います。その絶頂期にNHKの大河ドラマ「源義経」に出演。最近は可愛い・・でキャスティングされますが、しっかりとした基礎(日舞)があって女性としての優しさが溢れ出るような美しさ。そこに華があるんですからね。源義経の作品で共演者「七代目・尾上菊五郎」と結婚。今でも忘れません。衝撃でした。
任侠映画、言ってみればヤクザ映画で片肌に入れ墨ですよ。それが大河の藤純子は何とも美しい静御前だったことを覚えています。品というのはこういうことなんだ・・・と。どうして女ヤクザが静御前に・・・。今でも懐かしいこの任侠シリーズを観ながら、日本を大事にしたいのならやはり日本舞踊を習うべきだと強く思います。これは男性でも同じです。着物を纏い振舞う基本です。
現在、波島教室には15名ほどの女優さん(志望者も)が日々お稽古に明け暮れていますが大切なことです。現在の時代劇であのように演じられる女優さんは居ませんからね。
任侠シリーズでもたまに踊るシーンがありました。日舞をやっていないとああはならないと納得。カッコよくて美しい!!監督は楽しかったでしょうね。
いつかブログに「藤純子に触れてみたい」とずっと思っていました。
そして最近もう一度見たのが「女渡世人」です。この映画での名シーンは母親役の小暮実千代さんとの共演です。小暮さんは亡き中村錦之助の「瞼の母」のおっかさん役が素晴らしかったですね。この「女渡世人」はまさに瞼の母のシーンそのままでした。迫真の演技は双方とも一歩も引きません。それだけに目頭が熱くなるんですね
平成に入って猛烈なアンコールもあり、あの高倉健とまた共演を果しました。それが「あ・うん」です。その後の映画で「おもちゃ」や「フラガール」。NHKの連続テレビ小説「てっぱん」等々。現在も尚お元気で活躍されています。
勿論、各映画祭他様々な賞を獲得されていますが、女優を目指す多くの女性の皆さんに限らず、最近はいくらでもネットで作品を観れる時代です。役者とはこうあるべきという姿を垣間見ることが出来ますよ。
もう一度見てみたい作品でいっぱいなのがその藤純子主演女任侠シリーズです。これらの作品には日本の心がいっぱい詰まっています。
もう昔々のお話になりましたが、大女優のまま結婚が決まり、東映が総出演で送り出した引退映画があります。それが「関東緋桜一家」でした。惜しいな~と日本中の藤純子フアンは思ったでしょうね。綺麗でした。最後の引退作品は見事でした。ますますご活躍ください。