嬉しい発見

まもなく七夕ですね。短冊に何を書きましょう!

そうですね、私も今までに七夕の思い出はたくさんありますが、20年ちかく前に勤めていたある会社の七夕物語をお話しましょう。

その会社は建設業で働くみなさんで日々現場で真っ黒になるまで汗びっしょりになって働いていました。私は現場へは出ませんが、多くの従業員の相談役といったらいいかな!?現場で働くみんなはいい奴ばかりでした。

そんなある年、1年に1度の社員旅行が楽しみでね。勿論計画を立てるのは私でしたが、ある年、旅行から帰るとまもなく七夕という頃でした。

行先は富士吉田の温泉旅。初夏にはたまらなかったですね。東京からずっと観光バスに揺られ車内は賑やかで勿論楽しい旅でした。

まもなく一路バスが帰路に着いた頃、用意していた短冊とペンを取り出しマイクを使ってこう話しかけました。

「いまお渡しした短冊はまもなく来る七夕に皆さんの願いを書いて頂いて、大きな笹の葉に吊して七夕を迎えたいと思います。お1人2枚お配りしましたので自由に願い事を書いてください。」と。

建設現場で働くような人はこうしたこととは無縁(失礼)の人が多いのは分っていました。

びっくりしたり恥ずかしがったりしながらも若者から大先輩に至るまで40数名は笑いながらも一生懸命短冊に向かってくれました。

出勤2日目頃にまるで鯉のぼりを飾れるほど大きな竹が用意され、会社の国旗掲揚塔の隣に見事に笹の葉として登場したのです。

久しぶりに童心に帰ったのかその笑顔の清々しかったことが今も忘れられません。ほんのちょっとした思いつきでしたが素晴らしい七夕でしたね。

本当はみんな優しい心の持ち主なんだって嬉しい発見と出会えました。