ようやく新緑の季節到来ですね。
私は実家がお寺でしたが禅宗ではないのに成人してからよく座禅を組みに行ったことを覚えています。
子供の頃から環境はそうした中にはありましたが、初めて高校時代の修学旅行に京都・奈良を巡ったときは衝撃でした。父の影響で仲間より多少知識はありましたからね。
初めて奈良に行った時、薬師寺でいろいろ説明してくださったのが高田好胤さんだったのです。物を大切にする心、母への感謝の心等々の説法は高校生ながらただただ感動でした。それ以来すっかり高田好胤氏のフアンになり、その後数年して高田好胤氏が薬師寺の館長になられたと聞きわざわざ駆けつけたことがありました。
名古屋で生活することになって女子寮の社員と十数人バスで駆けつけたのも奈良の薬師寺でした。その際も好胤氏は私を覚えていてくださり我々にまた楽しいお話をしてくださいました。
名古屋から近いこともあり京都へもよく足を延ばしました。好んで行ったのが金閣寺に近い「妙心寺」です。ここは臨済宗の大本山で研修も兼ねて何度も足を運びました。
毎朝の座禅。お堂の扉は閉じられていますが、座禅を組む我々はまさに仏の形にも似て、表から朝早い参拝客が我々の居るお堂の中に賽銭を投げる。チリン・・・といって私らの前に小銭(賽銭)が転がる・・・・。まるで座禅を組んでいる我々は仏のような気分でした。冬訪れた時はそれは寒くて今でもその当時を思い出します。
電気は使わない。勿論テレビもラジオも無い。新聞も読めない。つまり世間から遮断された状態が3日間続いたのです。
座禅を組んだ状態はこの写真のようにまさに仏のお姿でした。
特に妙心寺はハッキリ覚えています。当時の説法は徳川夢声氏でしたので楽しい話術に沢山魅せられたことを覚えています。それがです。・・・それが、この研修が終わって一歩外に出た時の事でした。シャバの賑やかさが嘘のようにいっぺんに押し寄せ、とんかつが食べたい・・・と入ったお店で衝撃的なニュース(TV)が早速目の前に!! それがあの浅間山荘事件の実況生放送だったのです。
味わったことのない静かな世界も一歩シャバに戻ったらこれでしたからね。
ここでも多くの学びを得ました。
そしてとうとう会社の社員旅行に福井の永平寺を選ぶほどに・・・(笑)
700年もの歴史はそのままのしかかって来ました。 曹洞宗の大本山。ここでもしっかり座禅を組んで来ましたね。
思うに、こうしたところへは絶対に冬行くべきかと・・・。
様々な体験に、座禅は本当に仏になれるんだとその姿に緊張だけが高鳴りました。きっと人として一番美しい姿なんだと思えるようになったのも体験があってです。
世の中が変われば変わるほどこの世界は人の時代を大切にしてくれます。まして希薄になった日本の心。 私は好胤先生や徳川夢声さんのお話しがこの時代にしてしっかり私の宝物になっていることに今更のように感動しています。
日本人ならではの心。大切なんですね。