波島陽子の故郷「湯沢市」には全国に誇れる素晴らしい伝統行事があります。
そのひとつがこの「絵灯篭」です。
初めて見たときはなんと美しい・・・と言葉も出ないほどの感動がありました。初秋に開催されるこの「絵灯籠祭り」。決して派手ではありませんが、なぜか心がホッとするから不思議です。まさに芸術のなにものでもありませんね。
色気だったり、気品であったり、時には艶やかでもありそれが情緒となる。 これは着物の女性が描かれているから尚更なのかも知れません。
昔、帝国劇場で大女優佐久間良子の舞台を観たことがありますが、なんとその舞台、相手役があのジョージチャキリスだったんです。 彼女の恋人(チャキリス)が戦争に駆り出されてしまい、戦死と誤報(電報)が彼女の元に。
戦死を信じ彼を追うシーンは悲しくも自害でしたが、その誤報が届く前に彼を思う幸せなシーンがあの打掛けのさばき方にあり、あまりにも美しく感動以上に衝撃を受けたことがありました。
「女優だ・・・」と。
私は、その女優を目指す若者の指導をときどきやっていますが、演ずることの難しさとの闘いにずっとずっと葛藤を続けて来ました。
今回は初めて大舞台で踊った作品(新舞踊)を、踊るのではなく3分間のお芝居でと「芝居をしてみなさい」と命じ、音楽をスタートさせました。
・・・・・!!! んんんん!!?? 今までに目にしたこともない輝き!!
「綺麗だ・・・・!!」が開口一番
あれだけ指導しても作れない「絵」がそこにあった瞬間だったからです。
洞窟を、掘っても掘っても出口に辿り着けないジレンマとの闘いに似て、よくここまで諦めずに指導を続け、我慢が出来たものだと思っていただけに、光にも似たその瞬間はさすがに熱いものを感じました。
そうなんです。掘り続けた洞窟で辿り着けた小さな光り。「開いた~\(^o^)/」・・・、その言葉が綺麗だとなったのです。 指導し続けた者にしか味わえないこの瞬間。 無心でのお芝居が吹っ切れたんだろう。 美しさとは真似て出来るものではないと言うが、まさに奇跡に近い瞬間でした。