私が実行できること

「戦後70年」記念すべき夏がやって来た。
 
火傷をするほどのベランダの柵に陽炎さえ見える!!私は8月生れのせいか特に夏の思い出は多いのだが、戦争も知らないし空襲も知らない。
8月は被爆した広島や長崎の話、終戦記念日が15日ということで誕生日前は子供の頃から厳粛な気持ちになることを肌で感じて来た。
もう30年も前になったそうだが御巣鷹山の日航機墜落事故は夏に起きた大惨事として記憶に新しいと思っていたのに月日の流れは実に早すぎる。

戦争を忘れてはいけない・・・と多くの語りべが頑張って来たようだが、その語りべのみなさんもすっかりご高齢になったようだ。
無邪気だった少年時代は今考えれば私には幸せな時代だった。
特に大自然の中で育った私は本当に多くの自然と向き合って来た。ジリジリと照りつける真夏の陽ざしに負けない「ひまわり」が好きなのも夏の申し子だからなんだろうか!

凛と咲き誇るひまわりには本当に多くの元気や勇気をもらって来ました。
性格が明るいせいか私はよくひまわりのようと例えられて来たが、そのことがぶれない私を形成してくれたようだ。

今年はまた例年にない猛暑(特に東京)になってまもなく広島の日がやってくる。
終戦からまもなくして映画・時代劇の黄金時代を迎えたようだが東京オリンピックの開催年を境に世の中が大きく変わっていった。
しかし、どんなに近代化されても日本の素晴しいところは「和の心」を失わなかったことだろう!
世界中で「おもてなし」などと騒いでいるようだが、おもてなしこそ日本の文化だ。

東京を中心とし、日本の大都市のそれはビルの街と化した。
今年もお中元という時期はもう過ぎてしまったが、戦後特にこのお中元やお歳暮というしきたりにも似た行事が確立されたようだ。
バレンタインや母の日等々のお祝行事は商売を通して仕上がっていくことになる。
お中元ひとつとっても、「お中元商戦」といってその忙しさは半端では無かった。
でも、そのお中元商戦やお歳暮商戦、ひな祭り、母の日等々は日本の心を添えたイベントなのだ。
手紙を添えたり贈ったりもそうだ!世の中が便利になると何かが崩壊してしまうというが本当にそう思えてならない。
ペンを持たずともメールで簡単に事が済む。勿論決して悪いことではない!
しかし、心が着いて行かなくなったことは否めない事実だろう!!

私が実行できること

東京日本橋で開催される珍しい夏の行事!ひとつの夏の風物詩になったと言ってもいい。写真の金魚アートがそうだ。
 
私も行ってみましたが言葉では言い表せない優しくも何か懐かしさが蘇ってくるようなそんな素敵なイベントです。

日本人の感覚の素晴しさ!日本人だからの感性がそこにあり、上品でいて人の心を癒してくれる魔法のようなものがそこにある。
去年は教室の生徒さんたちと楽しんで来ましたが、ゆかたを来た若い女性は更に美しく映えるから不思議です。

屏風の中に泳ぐ金魚はなんとも幻想的で美しい。そこに集まる多くのお客様を見ても心洗われる思いに浸れる。

現在、都内のある中学生の海外派遣生に日本の文化のひとつとして「日舞」を指導していますが、私はその目的の遂行にいつも心を砕く。
中学生(派遣生)はまだまだ無邪気なもので「日本の文化」の紹介に向けての姿勢はどうしても弱い。2年ほど前は小学生だったことを思えば無理もないのかも知れない。
強い意思で怒って(叱って)くれる大人が少なくなってそれは強くそう思う。
私が指導する内容や言い方が厳しいように感じる生徒、いや先生も少なくない様だ。
日本人の素晴しさは日本人に生れてきた人の血の中に必ず流れているんだと信じて止まない。
童謡などを聴いていて何故かその世界(子供時代)に入れるのもきっとそうした何かが関係しているのだと思えてなりません。
詩や旋律ひとつとってもどうしてこんなに素晴しい世界を表現(童謡)できるのかと思いながらその都度心を奪われる。

仕事柄、日本舞踊などの表現ひとつ見てもそれは強く感じるのだ。「しなやかさ」や「間」こそしっかりと日本の文化になっているのだ。
近代化を、便利になった世界と表現すれば、どんな素晴しい日本の文化でも、今流と言おうかその表現が少しずつ変化している。
しかし、嬉しいのは「日本舞踊を習いたい」と教室の門を叩く若者の心根に安堵する。
美しいものから「女性らしさ」や「日本人らしさ」を心のどこかで探し求めているに違いないからだと思える瞬間なのだ。
実際に、日舞のお稽古を重ねて1年も過ぎたころから何かの変化を伺えるから本当なんだろう!
歌でも踊りでも「上手い」というのは技術ではないと説いているのが私だ。
実際に日常生活でも相手に伝える最強のものは「心」なのだ。

結婚をするにしても、相手を何で選ぶかと言えば「心の持ち方」をきっと選んでいるはずなのだ。
相手に思いやりや親切を・・・と言ったら、それこそそれは心以外の何ものでもない事実でしょう。
花を愛で、星と語り、心に打たれるって日本人の持っている典型的な素晴しい感性以外何ものでもないはずです。

どんなに地球上が便利になったとしても相手を思いやる優しを失ったらその時が人間崩壊の時だと思って良い。
あの大惨事となった東北の津波にしても、これほど労わり合えて頑張れるのは日本人だからと言いきって過言でないでしょう。人はみな、優しさを求めて生きていると言って良いからです。人の為に何が出来るか・・・。
御巣鷹山の日航機墜落事故以来、亡くなった人たちの為に私たちは何が出来るか。
沖縄のひめゆり部隊は映画の世界ではないのだ。東北の大震災等々悲惨な事故や悲しい戦争が決して風化しないようにと頑張っている人達も少なくありません。

まもなく高校球児の甲子園が始まります。
夏になれば日本中のあちらこちらで花火が打ち上げられますね!しかし、あの花火はどうして打ちあげられるようになったのか・・・!?
そんなことをひも解くのも良い機会(じき)なんではないだろうか!?

私が実行できること

うちわ片手に花火に興じる!!夏の宵をこうしたイベントに興じる。
 
日本人って、なんて素晴しいんだろうと改めて思わされます。

日本の文化に触れたくてやってくる教室を運営していて、そうした文化を好む若者が更に夢の実現に向けて一歩ずつ歩く姿を応援できることは本当にこの上ない幸せなことなんだと心からそう思わずには居られません。
東北で生活する訳にはいきません!ひめゆりの塔を守ることも出来ません!
そうした事柄は決して他人事とは思いませんが、私が実行できるとすれば、教室に通う生徒さんたちに日本の良さを伝え続けることなんだと思っています。

 

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