嬉しいお客様の声

東京オリンピックを前に、「新国立競技場」建設問題で大きな波紋を投げかけた。

確かに安倍総理は誘致合戦当時全世界に「国を挙げて予算的にも支援する」と明言したのは記憶に新しい。
この時、「2020TOKYO」のカードに日本中が湧き、「おもてなし」と一緒に忘れることの出来ない感動に酔ったのだ。
計画で見せたあの新国立競技場のデザインも斬新で近未来を象徴するような感動や期待を国民もみな抱いたはず。
勿論、だからと言って予算が無制限にある訳ではない。 最初の計画も自民党ではなく民主党であったのも皮肉な話だ。
前回の東京オリンピックには高度成長もあいまって東京五輪は日本を大きく変えることになった。

しかし、2020年の東京オリンピックで何が変わろうとしているのだろうか!?
「おもてなし」と称し、言葉だけが先走りしてはいないだろうか? この五輪景気を決して逃してはいけないといろんな企業が血眼になっているのが見える。
浅草は確かにここ数年の間に外国からの観光客が異常に増えたのも確か。 対応に粗末になってはいないかと懸念する声が大きいのも確か。
刀を持たせれば「殺陣を教えた」と錯覚し、着物を着せれば着物文化を提供したと錯覚する人も少なくない(泣)。

私は、「おもてなし」は心の提供だとことあるごとに語って来た。 外国人相手に限らず、心の無い応対は非常に危険だと思う。

ずっと昔、沖縄で「海洋博覧会」が開催されたことがある。沖縄が返還されてから一大イベントであったが、この博覧会は大きな汚点を残した。
それは、この機会を逃してなるものかといろんなものが高くなったからだ。それにサービスがついていかないのだから致命傷だっただろう!

私は仕事の関係で5年間も沖縄本島・石垣島まで通ったことがあった。それだけにその評判は如実に伝わってきたのだ。

商売とは、そのとき儲ければ良いのではない。また行ってみたい!またあの店に、あの観光地に行ってみたいと思って頂けることが何よりも大切なのだ。

波島教室に通う生徒さんで、以前銀行に勤務していた若い女性がいた。その女性は希望を膨らませて入社したはずの職場だったが、人間関係で夢を失くしてしまった。
原因は銀行の体質にあるのだろうが、社員を想える心の欠如ではないかと思う。日舞を習いに浅草まで通いもう6年にもなるが勿論今でも続いている。

転職で選んだのが「販売員」だった。お客様が喜んで頂けるような販売員になりなさいよとアドバイスしてあげたことを覚えているが、あれからもう3年が過ぎようとしている。

そんな彼女が銀座の三越に勤務しているときのことだった。 お客様からお手紙が届いたという嬉しい話しだった。
つまり、あまりの素晴しい接客にお客様が感動し、その礼状が届いたそうだ!勿論私は一緒に喜んであげた。 きっと素晴しいおもてなしだったんだろうなと容易に思える。

彼女は栄転に栄転を重ね、現在横浜の百貨店の責任者(テナントの)として頑張っています。

浅草で活躍する波島陽子日本舞踊教室にはそんな生徒さんが多い。 この教室には外国から日本舞踊体験や着物(振袖・ゆかた等)体験に多くのお客様がやって来ます。

先月でしたが、アメリカから訪れたお二人が着物体験で日本の文化を楽しんで帰られました。 先日、そのお客様からお礼の電話とメールが届いたのです。
「日本に行って良かった!とても親切にして頂き素晴しい旅が出来ました。こちらの名産をお礼にお贈りしたいのでご住所を教えてください・・・」とのことでした。

勿論、精一杯お客様に喜んで頂きたいとお迎えしますが、仕事をしていてこれほど嬉しいことはありませんね・・・と波島。

写真は外国から日本舞踊を体験しているところですが、外国の皆さんにとってきっと日本の文化は美しく綺麗と感じているんでしょうね。 日本人の私でさえそう思うのだから初めて着物に手を通したお客様は尚更でしょう。

世の中に、「無償の愛」ということばがありますが、お礼の電話やメールが届くような応対こそが本当のおもてなしのような気がしてなりません。

目先の利益ではなく、その場その場でいかに楽しく過ごして頂けるかの心根は国境の垣根を超えて必ず伝わるんですね。

外国のお客様だけでなく、日本の生徒さんの笑顔を見ているだけで分かるような気がします。

 

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