表現の難しさ

もうお稽古に通って10年以上にもなりますが、今も尚芸の難しさに悪戦苦闘しています。

正直言ってお芝居が大好きなのでお稽古は楽しくて仕方ありません。それと出来ることとは当然違うんです。「綺麗に踊るんじゃないよ・・・・」、「美しく表現しなさい・・・」と容赦ないプロデューサーの声が飛んで来ます。そうなんです。実はここのお稽古場は特別に「岡部塾」というのがあって特に舞台公演の前はこの塾で指導を受けることが出来ます。

プロデューサーがなんでここまで女性の仕草が出来るのか不思議なくらいですが、それは見事で女性より女性らしいかもしれません(笑)

見ていると全くその通り、美しい。どうして出来るんだろう・・・!!プロデューサーの言う美しさがハッキリ確認できますが、「なるほど・・・」と判っていても出来ない歯がゆさでいっぱいになります。

「普通そんなふうには泣かないだろう・・・?」と厳しい声が飛んで来ます。やればやるほど分からなくなる・・・。「普通に泣いてごらん」と声が飛ぶ。その繰り返しです。私には分からないその瞬間、「ほら・・・出来たじゃない?」「どうして出来るの・・・!?」と声が飛んで来ます。

自然に表現するんだよの基本を何度も何度も繰り返しお稽古しています。

すると、「お客様が感動してくれたら嬉しいね」と励まされもう一度アタックの連続です。「お客様(あいて)に伝わらないと意味がないんだよ!」と飛んで来ます。「伝える・・・」確かにそうだなと思いながらまたチャレンジ。ここまで頑張れるのは確かに心のどこかで「お客様の顔」が浮かんで来るからですね。陽子先生みたいに、伝えることが出来たら嬉しいな・・・。